「ただ、君を想う」(FF4エッジ×リディア)

4

バロンに滞在して三日目―――
(今頃どうしてっかな・・・)
物思いに耽るようにして空を眺めていると、背後で気配がして振り返る。
「やあ、エッジ。元気だったかい?」
「ギルバート! っつか、なんでここに?」
「セシルがね、エッジが来てるって教えてくれたんだ」
セシルなりのはからいなのだろう。エッジがバロンに滞在している間、ずっとセシルが相手をしている訳にもいかない。
(お節介なやつ)
セシルの満足そうな顔が思い浮かんだ。
「話は聞いたよ。リディア、今頃どうしてるだろうね」
(そんなこと、こっちが聞きてえよ)
エッジは顔を歪め、苦笑する。
するとギルバートは遠慮がちにエッジの隣に腰かけた。
「僕は・・・来てくれると思うよ」
エッジはその言葉に吃驚した。一体何を根拠に言っているのか、エッジには理解しがたかった。そんなエッジの反応を見てか、ギルバートは言葉を続けた。
「リディアは恋愛に疎いところがあったけど、エッジの気持ちには薄々気づいていたと思うよ。それでもエッジのことを拒まなかったのは、少なからずエッジのことが好きだったからじゃないかな」
「そ、そんな訳ないだろ」
からかわれた子供のような反応をするエッジに、ギルバートはやれやれと首を振る。
周りから見ればすぐわかるエッジの想いに、いくら何でもリディアが全く気付いていないことはないだろう。普段は自信に満ち溢れているエッジ。
だが、リディアのこととなると何かにつけて自信がない。
(もう少し自信を持っていいと思うんだけどな)
ギルバートは大きな溜め息を吐いた。

その頃、ミストの村では―――
「ふぅ」
ひと仕事終えたリディアは大きな溜め息を吐く。本日何度目の溜め息だろうか。
(今頃どうしてるのかな・・・)
空を見上げ、大きく伸びをする。するとそこへ人がやってきた。
「どうしたのじゃ? ここ数日、元気がないようじゃが、何かあったのかな?」
「長老・・・」
「そういえば今回はゆっくりしていかなかったのう」
「え?」
「エブラーナの若者じゃ。いつもならゆっくりしていくのにのう。またいろいろ話が聞けると思っておったんじゃが・・・」
残念そうにする長老を見て、リディアは苦笑する。
(わたしももっとお話したかったな・・・)
俯くリディアを見て、長老はそっとリディアの頭を撫でる。
「リディア、わしらのことは気にせず、これからはそなたの好きなようにするといい」
驚いて長老を見ると、その顔は優しく微笑んでいた。
「何年もの間、そなたはミストのために尽力してくれた。充分すぎるぐらいにのう。これからはそなた自身の幸せだけを考えてくれ」
長老はリディアの変化に逸早く気付いていた。
そしてお忍びでやってくるエブラーナの若者、エッジが身分を偽っていることも、ミストの村へやって来る目的も知っていた。また、エッジがやって来るとリディアの顔がパッと明るくなることも・・・。気付いていないのは本人たちだけだった。

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