「見つめる瞳と10の言葉たち」(FE蒼炎ボーレ×ミスト)

祈り人の背中

クリミアとデインの戦いが終わり、皆が喜び合う最中。
ミストは人気のない戦場後へやってきた。
戦いで亡くなった者たちには白い布が被せられ、中には家族の死を嘆き悲しむ者もいた。
ミストは一人一人に花を添えながら歩いていく。
今日の日を忘れないよう胸に刻みながら。

あ、この人・・・

見覚えのある顔だった。
その者はミストと同じ隊にいた衛生兵だ。
年が近く、同じ衛生兵だったため、時折話すことがあった。
衛生兵が最前線に出ることは少ないが激戦の中、一人でも多くの人を助けようとしたのだろう。
ミストは膝を地につけ、手を組み冥福を祈った。

その小さな背中を静かに見守る者がいた。
好きにさせればいいと言われていたが、ミストが心配で後をつけてきたのだ。
すると、人の気配に気づいたのか、ミストが後ろを振り返った。

「ボーレ! どうして、ここに・・・?」
「いや、別に用はなかったんだけどよ。 その、気になって。
ほら、同じ隊のやつも亡くなったって言ってただろ。 だから・・・」

ボーレはミストの頭をポンポンと優しく撫でた。

「もう我慢しなくていいからな」
「どうして・・・」

兄であるアイクたちの前では、心配かけたくないという思いからずっと我慢していた。
だが、ボーレはそれさえもお見通しだった。
堰を切ったように、ミストの目から涙が溢れ出す。
ボーレはあやすように何度もミストの背中をさすった。
少しして落ち着いたのか、ミストは口を開く。

「ボーレは・・・いつから気付いてたの?」
「戦いが終わってすぐ。 ずっと様子が変だと思ってたんだ。
ま、戦いの後なんて、みんなそうだけどな」
「・・・ありがとう、ボーレ」

すると、ボーレは顔を背け頭をポリポリと掻く。
照れ隠しだった。
子どものような反応をするボーレがおかしくてミストは声を出して笑う。
元気になったミストを見て、ボーレは安堵するのだった。

◆ あとがき ◆
この話の舞台は蒼炎の終章後なので、これぐらいの距離がいいかなと。
お互い意識はしているのですが、まだハッキリとは自覚してないぐらいだと思っています。
ボーレはほんのちょっと自覚してるかもですが。
ミストが可愛くないわけないでしょうし(爆)
(2009年6月14日)