「見つめる瞳と10の言葉たち」(FE蒼炎ボーレ×ミスト)

夕闇色の横顔

戦いが終わり、ミストは高台へ上がり町の様子を見ていた。
あちこちに戦いの傷跡が残っている。
それでも町の人々に笑顔が戻ったことがミストは嬉しかった。

あと少しで長かった戦いが終わる。
兄であるアイクが父の仇である漆黒の騎士を倒し、残すは王都メリオルだけとなった。
これまで本当にたくさんのことがあった。
思い返すだけで胸がいっぱいになる。
ミストは溢れた涙をそっと手で拭った。

「こんなとこにいたのか」
「ボーレ・・・」

夕闇色に染まった横顔は、よく見なければ表情が読み取れない。
だが、ボーレは黙って手拭いを差し出し、ミストの頭を優しくなでた。
すると、ミストはボーレにしがみついて泣きじゃくる。
少し前にも同じようなことがあった。
その時、ミストは両親の話をしてくれた。
ずっと憧れだった傭兵団の団長グレイルが妻を手にかけていたこと。
どうしようもなかったこととはいえ、聞いた時はボーレもショックだった。
だが、それ以上にミストは相当辛かったはずだ。
それからというもの、ボーレは今まで以上にミストを守りたいと思うようになっていた。

ミストの気が済むまで、ボーレはずっと何も言わず背中をさすった。
そして、少し落ち着いたのか、ミストが顔を上げた。

「・・・ボーレ、ごめんね」
「いいって、気にすんな。 泣きたい時は泣けばいい、我慢しなくていいんだ」
「うん、ありがとう」

ミストはもう一度、ボーレにしがみついた。
しがみつくというよりは、ぎゅっと抱きついている状態だった。
だんだん気恥しくなり、ボーレの顔が徐々に赤くなる。
だが、辺りは真っ暗で誰も気づきはしないだろう。
ボーレは一息吐くと口を開いた。

「そろそろ戻るか。 みんな心配してるかも知れないしな」
「そうだね」

そして、二人は自然と手を繋ぎ、皆のいる本陣へと戻った。

◆ あとがき ◆
もうラブラブじゃないかこれ。
本編での支援会話をボーレの自覚へのきっかけにしてみました。
でも、ヘタレだからこれ以上のことはできないんです。
まさに暁の後日談どおり、尻に敷かれるのが目に見えます(笑)
(2009年4月20日)